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臨床研究について 3

【対象】
以下の条件をすべて満たす症例

・膀胱原発腫瘍に対し筋層を含むTURにより肉眼的に全ての筋層非浸潤性膀胱癌 (Ta,T1) が切除されている。
・腫瘍が病理組織学的に移行上皮癌と確認されている。
・TUR (経尿道的切除術) により切除した腫瘍で、少なくとも一部が病理組織学的に T1, G3 と確認されている。

【はじめに】
膀胱癌は癌細胞の到達した深さ(深達度と呼びます)によって Tis (粘膜上皮内にとどまる平坦な癌)、Ta (乳頭状に内腔に突出しているが、粘膜にとどまる癌)、T1 (粘膜固有層に達するも筋層にまでは達してない癌)、あるいは ≧T2 (筋層まで、あるいは筋層を越えて浸潤した癌)に分類され深達度によって治療法が異なります。
また、膀胱癌の診断には深達度の他に、癌細胞の悪性度が重要視され、Grade 1 から 3 まで 3 段階 (Grade 1が最も悪性度が低く、Grade 3 が最も悪性度が高い) の評価法があります。
悪性度の高い G3/high-grade 膀胱腫瘍では癌細胞が塊をつくらず、不連続に浸潤する傾向があります。
そのため T1G3 膀胱癌は内視鏡によって全体の広がりを把握することが困難なことがあり、1回の TUR では総ての癌を切除できずに、比較的高率に腫瘍が残存することが知られています。
また、T1G3 膀胱癌は、経過中に高い確率で膀胱内に再発し、筋層に浸潤する進行癌へと変化することも稀ではありません。
再発の確率は約 50%で、進行癌へと変化する確率は約 15% と考えられ、およそ半分の T1G3 癌は再発や進行をきたさないことも分かっています。
そこで T1G3 膀胱癌のうち、再発や進行をきたしやすい癌と、再発や進行をきたしにくい癌のどちらであるか診断できれば、患者さんに合った検査や治療法が選択可能となります。
現在まで T1G3 膀胱癌のうち再発や進行の確率が高い腫瘍は、複数の癌が同時に発生しているもの(多発腫瘍)や膀胱内の血管やリンパ管に癌細胞が浸潤しているもの、過去に膀胱癌ができたことがあるもの、あるいは粘膜上皮内にとどまる平坦な癌(Tis) を伴うものなど、いくつかの特徴を有していることが報告されていますが、統一された見解はなく、今後の重要な課題です。

【目的と内容】
T1G3 膀胱癌のうち、再発や進行をきたした患者さんと、再発あるいは進行をきたさなかった患者さんの病理学的因子(膀胱腫瘍の数, 腫瘍の大きさ, 粘膜上皮内にとどまる平坦な Tis 癌随伴の有無, 癌の浸潤増殖様式, 癌の血管やリンパ管への侵襲の有無等)と臨床的な因子(過去の尿路上皮癌, 再発回数等)を比較検討することによって、T1G3 膀胱癌の再発と進行に関与する病理学的あるいは臨床的な特徴を見つけ出すこと。

【個人情報の管理について】
本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さんを特定できる情報は一切含まれません。
もし対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡下さい。

【研究期間】
調査集計・解析期間:承認日から平成23 年 (西暦 2011) 3月31日
調査対象期間:2006年1月1日〜2011年3月31日

【医学上の貢献 】
T1G3 膀胱癌の予後因子が明らかとなれば、TUR で T1G3 と診断された患者さん1人1人に対して、最も適した検査や治療が選択可能になることが期待されます。

【研究機関】
研究責任医師:教授・内藤誠二
研究分担医師:准教授・関 成人
           講師・横溝 晃、講師・立神勝則
           助教・黒岩顕太郎、柚木貴和、猪口淳一、内野 洋、清島圭二郎
           医員・宋 裕賢、根岸孝仁、武内在雄

問い合わせ先: 〒 812-8582 福岡市東区馬出3-1-1
           九州大学病院・泌尿器科  関 成人

連絡先:092-642-5603 (泌尿器科医局)
      092-642-5612(南6階病棟)
      092-642-5615(泌尿器科外来)

 

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